仮想スイッチ・NICと物理NICの関係
前提
- ここではWindows 10 ProをホストとしてHyper-Vを使うケースとする
- Windows 10のFall Creators Update以降、デフォルトの仮想スイッチがNAT対応するようになった
ネットワーク接続のアイコン
コントロールパネルでネットワークとインターネット→ネットワーク共有センター→アダプター設定の変更で表示されるアイコン。
- イーサネット
- 物理NIC。ホストマシンはこれを使って通信する。
- vEthernet(既定のスイッチ)
- Hyper-VをインストールしてゲストOSをインストールするとできる。
- vEthernet(外部スイッチ001)
- Hyper-Vの仮想スイッチマネージャーで外部スイッチを共有許可で作成するとできる。外部スイッチ001はマネージャーで指定する任意の名前。
ネットワーク接続のアイコンのプロパティ
- (この接続は次の項目を使用しますの箇所)
- Microsoft ネットワーク用ファイルとプリンター共有
- Microsoft LLDP プロトコル ドライバー
- Link-Layer Topology Discovery Responder
- インターネット プロトコル バージョン 4 (TCP/IPv4)
- Microsoft Network Adapter Multiplexor Protocol
- Link-Layer Topology Discovery Mapper I/O Driver
- Microsoft ネットワーク用クライアント
- インターネット プロトコル バージョン 6 (TCP/IPv6)
- Hyper-V Extensible Virtual Switch
- QoS パケット スケジューラ
ネットワーク接続のアイコンのプロパティをPowerShellで確認する
PS> Get-NetAdapterBinding | select Name, DisplayName, Enabled
ゲストOSのネットワーク構成例 1. ゲストOSのネットワーク設定で仮想スイッチを既定のスイッチに設定した場合
- この状態でゲストOSはホストOSとは違うネットワークセグメントに属す。
- 例えばホストOSのネットワークが192.168.1.0/24に対して、ゲストOSのネットワークが172.28.0.16/28など。
- 既定のスイッチはNAT機能を持つので、ゲストOSは外部のインターネットなどに通信可能。
イーサネット(物理NIC)のプロパティ
- Hyper-V Extensible Virtual Switch と Microsoft Network Adapter Multiplexor Protocol 以外にチェックが入っている。
vEthernet(既定のスイッチ)のプロパティ
- イーサネットと同様の状態で、Hyper-V Extensible Virtual Switch と Microsoft Network Adapter Multiplexor Protocol 以外にチェックが入っている。
ゲストOSのネットワーク構成例 2. 外部スイッチを作成して(共有許可)ゲストOSのネットワーク設定で仮想スイッチを外部スイッチに設定した場合
- 外部スイッチを作成する。その際、「管理オペレーティングシステムにこのネットワークアダプターの共有を許可する」にチェックをつける。
- この状態でゲストOSはホストOSとは同じネットワークセグメントに属す。
- 例えばホストOSのネットワークが192.168.1.0/24なら、ゲストOSのネットワークも192.168.1.0/24。
- ゲストOSは外部のインターネットなどに通信可能。
イーサネット(物理NIC)のプロパティ
- Hyper-V Extensible Virtual Switch と Microsoft LLDP プロトコル ドライバー にだけチェックが入っている。
- 物理NICから通信機能が削除されてしまった。
vEthernet (外部スイッチ001)のプロパティ
- Hyper-V Extensible Virtual Switch と Microsoft Network Adapter Multiplexor Protocol 以外にチェックが入っている。
- 物理NICの通信機能がこの外部スイッチに移っている。
- つまり、ホストOS上の物理NIC(の接続アイコン)も、ゲストOS上のNICと同様に、仮想スイッチ(vEthernet (外部スイッチ001))につながった1つの仮想NICという扱いになっている。
- したがって、これまで物理NICに指定していたIPアドレス設定などは今後はvEthernet (外部スイッチ001)に対して行うことになる。
ゲストOSのネットワーク構成例 3. 外部スイッチを作成して(共有不許可)ゲストOSのネットワーク設定で仮想スイッチを外部スイッチに設定した場合
- 外部スイッチを作成する。その際、「管理オペレーティングシステムにこのネットワークアダプターの共有を許可する」のチェックを外す。。
- vEthernet (外部スイッチ001)の接続アイコンは利用不可になる。ホストOSとゲストOS間の通信は可能だが、外部(インターネットなど)への通信は不可能になる。
- したがって、外部スイッチを利用する場合、基本的に共有許可して利用することになる。
参考